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今後の当法人の社会復帰対策

理事長・院長 太田 正幸

最近、「格差社会」という言葉が盛んに取り上げられています。この格差社会は小泉首相の時代に広がりました。実はこれは「新自由主義」という思想と無関係ではありません。

新自由主義は大まかにいうと「国公立企業の民営化と福祉の縮小」、「大幅な規制緩和、市場原理主義の重視」を特徴とする経済思想のことです。

この代表例は英国のマーガレット・サッチャー政権によるサッチャリズムです。サッチャー政権は、電話、石炭、航空などの各種国営企業の民営化、労働法制に至るまでの規制緩和、社会保障制度の見直し、金融ビッグバンなどを実施。グローバル資本主義を自国に適用して外国資本を導入、労働者を擁護する多くの制度・思想を一掃しました。その結果、英国病とよばれた経済危機を救うことには成功しましたが、労働者に対する責任転嫁は格差社会を拡大したとの批判もあり、また新自由主義的な政策で国民経済が回復した国は存在しないとする説もあります。

わが国でも、国民の医療費、介護費の負担増を強いたにもかかわらず、給付金が減額されたため、サービスは低下しています。さらに、障害者に対しては、負担を増大した「障害者自立支援法」を施行しました。外来での、一部負担は現在のところあまり問題はありませんが、社会復帰施設においては、利用者様方の負担が一機に増える方向にあります。私どもは利用者様の負担をなるべく軽くしたいと、光熱費込みで、グループホーム「ノア」:月額6千円、援護寮「みどり」: 月額1万2千円(トイレ、シャワー付)、9千円、福祉ホームB型「マックナイトホーム」(バス、トイレ、キッチン付):月額 4万円。の比較的低額で御提供してきました。

しかし、障害者自立支援法で新しくなった社会復帰施設は、これ以上の利用者様の負担をお願いしても、法人は赤字になる計算になるのです。

ですから、私どもの方針が決まるまで入所はしばらくみあわせていました。申し訳ありません。しかし、旧社会復帰施設体系が今後しばらく継続される見込みとなり、平成19年9月から、入所を開始いたします。

もちろん、この暫定期間の間、行政に働きかけ、なるべく安価な利用料で法人も赤字にならない施設体系を求めて行きたいと思っています。皆様方のご理解・ご支援を宜しくお願い申し上げます。

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