統合失調症という病気について2 医師 山本 康二 |
前回から統合失調症について、精神科に通院されている多くの患者さんがこの病気と闘い、薬などを使って治療し、そして病気を持ちながらも一生懸命頑張って生活していることを書かせていただいています。
第二回は、どれくらい、どんな症状が出てくるのかについてご説明します。
1. どんな症状で患者さんが苦しんでいるか?
前回に書いた、物音や人の声に敏感になる、物事を考えようと思ってもうまく頭が働かない感じがする、自然に笑ったり喜んだりできなくなる、服装や身だしなみが気にならなくなる、その他不眠、食欲低下、頭痛などの症状は、前駆症状とも言われています。
こういった“はっきりとしないしんどい状態”の後に、初期症状といわれるものが出てくることが多いようです。
統計的に多く出てくる症状を説明します。
統計で多いといわれる症状を説明しました。
それ以外でも
など。
こういった症状が、3,4個一緒に出てくることが多く、患者さんは自分でも「変だな」と思っていることが多いようです。しかし、人に相談しようにもうまく言葉にできなく途方に暮れてしまうようです。
2.ではどうしたらいいか?
まず、周りにいる家族や友人を信頼して、うまく相談できなくてもきっと理解してくれると考えてください。そして、こういったことで苦しんでいるのだと伝えてください。
また、この段階で診察に来られた場合、早期の治療が可能となり、その後のしんどい期間も短くすることができるといわれていますし、入院のリスクも低くなります。
今回のまとめ
次回は、治療法を中心にお話します。