統合失調症という病気について7 医師 山本 康二 |
最近になり患者さん自身がご自分の症状や治療がどんなものでありある程度ご理解していただくことが重要であり、医師が患者さんに一方的に指示をするのではなく、患者さん本人に自主的に関わってもらうことが大切ですよとお話しさせていただきました。
今回は最終回となりましたが、最後に簡単にまとめさせていただきます。
統合失調症は若くして発症することが多く、自分の人生計画を立て始めたり、目標に向けスタートしたばかりのころに調子を崩されることが多いようです。病院に受診して治療が開始されても、治療はケースバイケースであり、回復するのに年単位の休養が必要となることもあります。
このように何かを中断しなければいけなくなったり、自分の能力の変化や今後の見通しがつかないことに焦ったり、いらいらしたり、時に絶望的な気持ちになってしまう患者さんもいます。
こんな時にこそ忘れないでほしいことがあります。
あなたの苦しみ全部を周りの人たちが理解できないかもしれませんが、たくさんの人たちが自分たちの苦しみとして一緒に向き合っていこうとしていること。また、そういった患者さんから多くの人が勇気をもらっていること。決して忘れないでください。
その上で、
病気を経験しない人も思い通りの人生を送れる人は少ないはずです。さまざまな理由から自分を取り巻く環境は変わってくるもので、その時々で自分の状態にあった新たな目標を見つけ、前向きな生活を志すことは病気の回復、自信の回復にも良い影響を与えると思います。
ではこれで終了させて頂きます。